武蔵野市で市民参加

傍聴・パブコメ・その他気がついたこと書きます。事実と意見は混ぜないように気をつけます。基本的に意見は書かない方向です。

【傍聴】令和4年第5回 教育委員会 定例会 その2 「住民投票条例案を巡る議論にかかる副教材の作成」

今日一番意見が多かったのが請願です。何年も教育委員会を傍聴してますが請願なんて初めて聞きました。確かに前回の教育委員会定例会で請願・陳情の取扱についての議題があったので請願が出されてもおかしくないんですが。 請願のタイトルは「住民投票条例案を巡る議論にかかる副教材の作成と社会科公民的分野などの授業における活用について」です。元社会科の先生で後に琉球大学の教授になられた方からの請願です。請願理由をギュっとすると、住民投票条例の採決にあたって議論が十分じゃなかったのは武蔵野らしくない。大人も議論するべきだし、子どもたちも勉強しておくべき。本当は全国でやるべきだけどできるところから始めればいい。ということで武蔵野で教材を作って主権者教育の中で使おう。ということだと思います。 武蔵野市住民投票条例ネタは微妙なところで、どうなるのかなと聞きました。

  • 武蔵野市の10代の投票率は東京都よりも約1割高い。
  • 武蔵野市では主権者教育を広範囲で行っているが、系統だてたやり方も必要。
  • 武蔵野市で使っている副教材は2つある。「私たちの武蔵野市」と「子ども武蔵野市史」。どちらも各校で作るのは難しいということで校長会からの要望で教育委員会で作った。各校の先生が集まって作った。
  • 副教材の作成は各校に主導権がある。

というところから、結論としては

教育課程、教材の選択は各校の主体性を重視(尊重)するべき。→教育委員会で教材を作ってこれで授業をしてくださいとはならない。

ということで請願は不採択となりました。

戦時中の学校運営(国からの上意下達)を反省して校長が権限を持つようになったことを考えると当然でしょう。ただ、教育課程・教材が学校からの要望が原則なのであれば、武蔵野市民科は教育委員会からやりなはれと言ってるのでアウトですね。いいカリキュラムだとは思うんですが。結論の部分で「教育課程」なんて言わないで副教材の点だけに絞れば矛盾が発生しなかったのに。

もう一点課題となるのは、学校側からしか教育課程・教材の発意がなされないとなると、現場の教員の問題センサーと問題意識がとても必要かつ重要になるということ。さらに先生に気づきがあったとしても管理職が上手く形にして横の繋がりを作り教育委員会を動かせるか。

【公聴結果】武蔵野市立保健センター増築及び複合施設整備基本計画(素案)

武蔵野市立保健センター増築及び複合施設整備基本計画(素案)に対する意見募集の結果が公表されました。

www.city.musashino.lg.jp

意見通数46通、意見総数148件とかなり多くの人が意見を出しています。まずはパブコメが増えてきていることはいいことだと思います。しかも公共施設等総合管理計画や長期計画を読んだ上での意見もありました。景観ガイドラインも。

市は公共事業・公共施設のあり方をある程度明確にしたほうが意見を出す方も意見にしやすくなるかも。福祉的な観点とか一般的なことは市じゃなくて国か。どっかに書いてあったかな?もしかして義務教育の中で既にやったのかな?覚えてないや。

武蔵野市独自でいえばコミュニティ構想の中に三層構造という考え方があります。

www.city.musashino.lg.jp

子どもの権利は学校で尊重されているか

2022年3月セーブ・ザ・チルドレンが現職教員を対象に子どもの権利についてのアンケート調査を行いました。

www.savechildren.or.jp

これによると、『「子どもの権利を知っていますか?」という質問に対して「全く知らない」、「名前だけ知っている」教員は、合わせて3割にのぼりました(30.0%)』ということらしいです。子どもたちの人格形成・未来の社会づくりに大きく関わる教員なのですから、人権の相互尊重、自由の相互承認も基本ということは言うまでもありません。とは言うものの、日本国憲法に明記されていたり、各人権に関わる条約が締結されたりはしていますが未だ多くの人が理解できているとは言えいない発展途上の分野です。教員も学んで意識を変えていかなければいけません。

でも、いつ学べるの?今の教員という仕事はブラックらしいです。 だとすると誰が何すればいいかと言えば、仕事を作る人が仕事減らすか、仕事をする人を増やすか、しかないですね。

現職教員に期待するのを諦めたとしても、未来の教員=子どもたちには期待できます。学校教育の中で学ぶ時間は作れないかな。「主体的・対話的で深い学び」ができそう。


4/24追記。 東京新聞でも取り上げられました。

www.tokyo-np.co.jp

上の記事と異なる(より分かりやすい)のは意見表明権を「意見を聴かれる権利」と書いていたり、

子どもの権利は子どもが基本的人権として無条件にもっているのに「子どもは義務や責任を果たすことで権利を行使することができる」と誤った認識を持つ教員が27・6%いた。

と、義務・責任と権利はセットと考えるのは誤りといことを明確にしているところです。この二点は間違えやすいので、日本での説明は変えたほうがいいかもしれません。


4/24追記。 NHKでも取り上げられました。

www3.nhk.or.jp

残念ながら短い内容になっています。

令和3年度市政アンケート調査報告書リリース

武蔵野市では隔年(2019年までは毎年)で9月に全市民対象に市政全般のアンケートをとっています。これがなかなかの回収率なんです。しかも自由記述もたっぷり。なんなんでしょうね、パブコメの少なさや意見交換会の参加人数。後者の方が行政から意見の取り扱いが示されて言いっぱなしにならないでいいのに、言ってもまとめにしかならない市政アンケートの方が人気があるっちゅーのは。2021年度は自由記述が2,565通も来ています。「通」というからには意見の数ではなくて意見を出した人の数のはずです。パブコメなんて数通なんて普通にあります。

逆に考えます。自分の意見に対して行政のコメントがある方が満足度は上がるし、その後の市政への関心も高まります。トンチンカンな意見を出してる人も市政を知るきっかけになるし。市政アンケート自由記述にまともに回答を書いてみるのいかがでしょう。これを繰り返し続けると、まともな市民参加がすすむんじゃないでしょうか。これだけ自由意見が出るのにもったいない。

たぶんね、意見出した人、報告書読んでない。

行政が回答してたら、何て回答してくれてるかな?って探してでも読むでしょう。

関連リンク

令和3年度市政アンケート調査報告書|武蔵野市公式ホームページ

第7回子どもの権利に関する検討委員会

5月リリース予定の骨子案前最後の委員会が終わりました。いつもながら活発に意見が出る委員会です。

主な論点

  • 親・保護者の「第一義的責任」養育義務を明記するか
  • 武蔵野市子どもの権利の日を作るか、週間・月間案も
  • 子どもの学校を休む権利を作るか
  • 学校以外の多様な学びについて経済的支援を明記するか
  • 武蔵野市子ども会議の設置

委員会の多様な観点からいろいろな意見が出ています。骨子案リリースとともにパブリックコメント募集も始まります。子どもの権利条約の理念に基づいた市民の意見が集まるといいですね。特に子どもたちが関心持つと未来に繋がるんじゃないでしょうか。

関連リンク

【傍聴】令和4年第4回 教育委員会 定例会 その5 「縦書きパソコン」

令和4年度教育委員会各課の主要事業の事業6「学習者用コンピュータを活用した学びの推進」で委員から「子どもたちに配布されている学習者用コンピュータは縦書きができないのはまずい」という意見が出た。議会でも同様な意見は出ています。議員は代弁者的存在なので出どころはまた別なのかもしれないけど。

縦書きで何をしたいか分かりませんが……たぶん市配布のChromebookでもできる。

たとえばCSSのwriting-mode triple-underscore.github.io

最近のブラウザはSVGに対応してるのでSVGのwriting-modeも triple-underscore.github.io

そういえば青空文庫スマホの縦書きで読んでる。Chromebookでもできそうよ。

そんなことより、フィルタリングでアクセスできないサイトがあったり、ソフトをインストールできなかったり、開発環境がなかったり、縦書きよりもかなり重要な機能がない。ソフトをインストールできれば縦書き対応したソフトを使えるし、何だったら作る人が出てくるかもしれない。

【傍聴】令和4年第4回 教育委員会 定例会 その4「文化財の公開」

令和4年度教育委員会各課の主要事業の中から、16「文化財の指定、整備と周知、広報」で

課題②

クラウド化される文化財・歴史公文書システムで文化財資料を公開するため、(後略)

設定目標②

歴史公文書・文化財システムで閲覧できる資料の中から代表的なものを選定し、詳しい検索への道標となる画面を制作し、考古資料9千点、民俗資料約1万7千点の公開を行う。(後略)

と書いてあります。具体的なことは書いてありませんが、「クラウド」や「公開」というキーワードからこれからインターネットで資料公開が始まるのかなと期待されます。

ここで気になるのがライセンス。世界の有名所美術館・博物館がクリエイティブ・コモンズで資料を公開しています。どういうことかというと、ライセンスの内容次第ですが、二次創作が可能になるんです。クリエイティブ・コモンズでもパブリックドメインだったり非営利だったりクレジット表示だったりいろいろあるので、公開することでのメリットを考えてライセンスをうまく使うといいですね。

関連リンク

jp.techcrunch.com

yoshizo.hatenablog.com

creativecommons.jp